常識とは
常識とは何か?
日常生活の中で「こんなことは常識でしょう」という言葉を耳にします。しかし、この「常識」と言う言葉、一体何を基準にしての事でしょうか?
そして、その「常識」は、本当に全ての人々が共通認識しているのでしょうか?
私の中では、その言葉の意味とは何をもって判断してるのか、疑問に思う事が有ります。一体その事を、これは常識だと認識している人が、どの程度の割合でいたら、それが常識と判断されるのでしょうか。
常識の定義とその曖昧さ
「常識」とは、一般的に多くの人々が知っていて、かつ大部分の人が共有している知識、また考え方を指すものだと思います。
ただし、常識は、時代や文化、社会的背景など、色々な状況により常に変化しているものだと思います。あくまでその状況を見ている大部分の人が、これは「常識」だ。と判断する事だと思います。ですから、必ずしも絶対的な事はほぼないと言っても過言では有りません。たとえば、日本では靴を脱いで家に上がるのが常識ですが、欧米の国々では靴を履いたまま家の中に入ることが一般的です。
このように、常識とは必ずしも普遍的なものではなく、国や地域や文化の違いにより異なるものです。地域により常識は異なります。同じ地域であっても、世代によりその常識は通用しない事も有ります。従って、多くの人が常識だと言う事が絶対的なものは無い。と言う事を頭に置いたうえでの言動が必要です。むやみに他人の言動を、非常識だと非難するのは適切ではない場合もある事。と言う事を知ることが大切です。
具体例:異なる文化による違い
ここで、常識の違いを具体的な例を上げると以下のようなことが考えられます。
- 食事のマナー:日本では食事中に音を立てることは当然のように思われます。特に麺類を食べる際、音を立てすすって食べることは普通だと思います。「音を立てないで」と言う人は殆どいないと思います。しかし、海外では、麺類を食べるときには、音を立てないように食べるのが普通で、とにかく静かに食べることが常識とされているようです。
- 挨拶の仕方:アメリカでは、友人同士やビジネスの場でも握手をすることが一般的です。しかし、日本では握手はしないで、お辞儀で挨拶することが一般的です。また、フランスでは頬に軽くキスをするビズと呼ばれる挨拶が行われているようです。国により挨拶の違いは様々ですが、これらを覚える必要は無いと思います。自分たちの国の常識を伝え、相手の国の挨拶の仕方も理解してあげるのも必要です。
- 公共の場での行動:日本人は、公共の場での電話や、大声で会話することは嫌われます。しかし、外国ではカフェやレストランで友人と大声で話すことは普通とされる地域もあるようです。
常識の背後にある真実
「これは、常識だろう」という言葉には、無意識のうちに他者への期待や社会的圧力が含まれています。職場などで、上司が部下に言う場合、パワハラやモラハラと言われかねません。そんな言葉を職場などで発する行為自体が非常識な時代だと知ることが現代の常識です。
或る業界の常識を異なる業界の人に対し、自分たちの考え方を強固に押し付けるのは避けるべきでしょう。同様に、異なる文化背景を持つ人々、特に海外の人々との交流の際には、その国の文化風習、宗教観などをよく理解したうえで接することが大切で、摩擦を生むことがあります。
したがって、自分の「常識」が他者にとっては「非常識」である。と思って、寛容な姿勢で対応する気持ちを持つことが重要です。