需要と供給
価格の決定根拠
需要と供給は、経済の基本的な概念であり、製品の価格を決定する際に必要なものです。前者は、購入する人が、特定の価格でその製品を購入したい。という欲求を指します。一方、後者は、販売者が特定の価格でその製品を購入してほしい。という意思を示すものです。この二つの要素が市場で交差することで、価格や取引量が決まります。
消費者の行動
この関係は、いくつかの基本的な法則により説明する事が出来ます。「需要の法則」は、価格が上昇すると需要が減少、価格低下で需要が増加するのです。これは、消費者が物の「価値と価格」に非常に敏感であることを意味します。低価格なら多くの商品を購入し、価格が上昇すると、購入を控える傾向があるからです。
一方、「供給の法則」は、価格上昇で供給量が増え、価格低下すると供給量が減少するのです。これは、販売者が、少しでも高価格でより多くの商品やサービスを売ろうと考えるからです。商品の価格が上がれば利益も増えるので、企業は生産を増やす努力をします。ただ、販売者側に何らかの要因で、製品が不足してくる時があります。それを察知した購入者は、品不足を恐れ買いだめに走る場合があります。その行動がさらなる供給不足に拍車をかける場合もあります。
価格と量
市場において、需要と供給が交わる点が均衡点と呼ばれます。そこで決定する価格と取引量が、市場価格と市場取引量となるのです。均衡点とは、消費者の購入意欲と企業の販売意欲が一致する点ですので、市場は安定し、価格や販売量が安定するのです。しかし、これは常に変動しその変動の大きさにより価格や量が増減するのです。気候変動や、政情不安などの要因により変動することは、近年の世界情勢を見れば明らかです。
価格の変動
生産技術の進歩や、原材料の増減による生産コストの変動も価格変動の要因です。新商品の登場や消費者の嗜好の変化など、供給曲線を動かす要因は様々に存在します。さらに、経済状況の変動で、消費者の所得変動や、トレンドの変化、季節性などが需要曲線を動かす要因となる場合もあります。これらの変動により均衡点も常に変化し、価格や取引量が変動するのです。
予測は重要
需要と供給の関係を理解することは、日常生活や企業活動において非常に重要です。消費者は、価格の動きを常に把握し、将来を予測することで、購入時期を検討する必要がある場合も発生します。さらに、購入量を調整し、より最善の購買決定ができるようになります。一方、販売者である企業も、需要と供給の動向をより早く、かつ正確に把握することで、最適な生産計画や販売戦略を策定することが可能になるのです。
このように、需要と供給のバランスを理解し、その動きを予測することは、経済活動の基盤を成す重要なスキルと言えるでしょう。